この素案は、生成AIに関する懸念点についての論点整理のためのもので、(1)学習・開発段階、(2)生成・利用段階、(3)生成物の著作物性のそれぞれに分けられて説明されています。
 (1)学習・開発段階においては、著作権法第30条の4における『「非享受目的」に該当する場合について』、『著作権者の利益を不当に害することとなる場合について』、『侵害に対する措置について』、『その他の論点について』などについて具体例が挙げられています。30条の4の適用対象となるのか、差し止め請求等が認められる範囲については確認する必要があると思います。
 (2)生成・利用段階においては、『著作権侵害の有無の考え方について』、『侵害に対する措置について』、『侵害行為の責任主体について』、『その他の論点』などについて具体例が挙げられています。とくに、AI利用者が侵害主体となる場合、生成AIを用いたサービスを行う事業者が著作権侵害の行為主体として責任を負う場合などの具体例については確認する必要があると思います。
 (3)生成物の著作物性においては、生成AIに対する指示が表現に至らないアイデアにとどまるような場合には当該AI生成物に著作物性は認められないと考えられる、と記載されています。
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 なお、この「AIと著作権に関する考え方について」は、あくまで素案ですので変更になる可能性があります。(弁理士 井上 正)