米国著作権局は、Kristina Kashtanovaの作品である18頁からなる漫画本について、次のように通達しました。
作品のテキストについては、生成AIプログラムを含む他の情報源やツールの助けを借りずにKashtanovaが書いたものであるから著作権によって保護される。
画像とテキストの選択と配置については、Kashtanovaによって行われ、作品を構成する画像の選択、作品の各ページの画像の配置とテキストの配置に関して、作品が創造的な産物であり、著作権を保護する。
個々の画像については、ユーザは、プロンプトを通じてMidJourneyを操作するが、そのプロセスはユーザによって制御されない、Kashtanovaは何百回もの反復が彼女の完璧な表現となるまで何百、何千もの説明的なプロンプトをMidJourneyに提供したが、MidJourneyは、Kashtanovaが自分が望むイメージに到達するように制御するツールではなく予測できない方法でイメージを生成するので、MidJourneyのユーザは著作権を目的とした「作成者」ではない、また、プロンプトは注文よりも提案に近い機能を果たし、提案者はイメージの作成者ではない。MidJourneyが時間と労力に多額の支出をしてもMidJourneyの画像の作者にはならない。また、MidJourneyが画像の一部を編集したとしても著作権を取得するのに十分なほど創造的と結論づけることはできない。
詳しくは、こちらをご参照ください。
注)あくまでMidJourneyの処理にもとづいて、Kashtanovaが個々の画像の作成者ではなくMidJourneyが作成したと認められたために、Kashtanovaに著作権が認められないものであり全ての画像生成用AIサーバなどを利用した画像のすべてに著作権が認められない、と判断したものではありません。(弁理士 井上 正)